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エルカセット(ELCASET)は、1976年に、SONYを中心として当時の松下電器産業、ティアックが提唱したカセットテープの規格である。 「オープンリールの音を、カセットに。」のコンセプトで、テープはオープンリールと同じ幅のものを使用し、テープの走行スピードをコンパクトカセットの倍に設定。その代わり、カセットの大きさは体積比で約4倍、ほぼ文庫本サイズとなっている。 コンパクトカセットとは異なり、テープはカセットから引き出してローディングするという、ビデオカセットのような方式となっており、また、テープ種別だけではなく、ドルビー使用の有無まで自動検出できる検出孔が設定されていたり、自動選曲が可能なコントロールトラックが設定されているなど、高音質化や自動化に配慮した設計となっている。 しかし、コンパクトカセットに較べると遙かに大きく持ち運びに不便であり、テープやデッキの低価格化も進まず、さらには、発表からおよそ2年後にメタルテープが発売され、音質の優位性が失われたことなどにより、一般に普及することなく衰退していった。 なお、エルカセットも使用テープの種別により次のとおりTypeT〜Vがあるが、UとVはコンパクトカセットのTypeの呼び名とは逆になっている。 「TypeT」=ノーマルタイプ 「TypeU」=フェリクロムタイプ 「TypeV」=クロムタイプ(ハイポジ) |
* エルカセット登場当時の広告 (tape sound誌 No.21/1976年7月 より) *
* エルカセットの構造 *
* エルカセットのトラック構成 *
* エルカセットのテープローディング例(SONY「EL-7」) *
(ピンチローラーとシフトガイドにより、テープは自動的にカセット外部の赤色部分まで引き上げられる。各ヘッドは固定されており動かない。)
(左リールがサプライ側、右リールがテイクアップ側)
(いずれもクリックすると拡大画像が表示されます。) |
展示品一覧
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